コピー機やインクジェットプリンターといえば、今ではオシャレなデザインの製品が増えて、見た目で選ぶ方もいらっしゃいます。
しかし、コピー機(インクジェットプリンター)を選ぶ上で知っておかなければならない重要な要素にインクの種類があります。
そのインクの種類には、
- 「顔料タイプ」
- 「染料タイプ」
の2つのタイプがあります。
さらに、
- 「4色インク」
- 「6色インク」
と、構成するインクの違いまであるのです。
コピー機なので、もちろんどのタイプでもコピーや印刷はできますが、利用目的や用途によって違いがあります。
そう、コピー機を選ぶとき、まず考えることはどのタイプの製品にするかという点にあります。
そこでここからは、コピー機のインクの違いについて特徴など分かり易くご説明いたします。
1.コピー機インクの「顔料タイプ」「染料タイプ」の特徴と違い
オフィスや、今ではご家庭でもよく使用されるコピー機ですが、本体価格も安いことからインクジェットプリンターは人気があります。
インクジェットプリンターは、用紙にインクを吹き付けて印刷するコピー機なので、もちろん「インク(液体)」を使用しています。
ちなみに、「トナー」という言葉を聞いたことがあると思いますが、あちらは「ミクロの粉」です。簡単には、静電気を利用して紙にトナー(粉)を転写させ、熱によって定着させているものになります。
そこで、インクには、大きく分けて
の2つのタイプあり、それぞれ異なった特徴を持っていることから、違いをしっかり理解した上で製品を選ぶ必要があります。ということで、「顔料」と「染料」両タイプの特徴とメリット・デメリットをご説明いたします。
➀「顔料タイプ」の特徴
出典:エプソン
顔料タイプの特徴として、着色に用いる粉末が完全に水に溶けきってないインクのことを指しています。
特徴として、着色用の粉末粒子が大きいため、インクが用紙の中まで染み込まず表面に定着するので、線や色がくっきりと出せます。
また、以下のような特徴が挙げられます。
- 色が鮮明
- 着色力が強い
- 耐熱性・耐水性・耐光性に優れている
- 光にさらされても色褪せしにくい
- 水に濡れてもにじみが出にくい
さらに、「顔料タイプ」のインクは使用できる用紙の幅が広く、普通紙は勿論ですが、マット紙や画用紙など様々な用紙に印刷できます。
逆にデメリット面として、インクが紙に浸透しないことが特徴なので、こすると色落ちしたり、色に光沢が出にくいといったことが挙げられます。
その他にも、粒子が大きいためプリンターのノズルが詰まりやすくなり、紙の詰まりの原因となることもあるようです。
②「染料タイプ」の特徴
出典:エプソン
染料タイプは顔料タイプとは逆に、着色用の粉末粒子が細かく溶剤に溶けきったインクのことを指しています。
特徴として、浸透性が高いため、用紙の繊維内部にしっかり浸透するような状態で印刷されることです。色の再現度が高く光沢・発色が良いので、透明感のある仕上がりになります。顔料タイプのように、紙の表面に凹凸ができず滑らかな仕上がりのため、光沢紙に印刷するのにも向いています。
逆にデメリット面としては、耐水性・耐光性が低いため、濡れてしまうと色がにじむことや、光が当たると色あせしやすいという点が挙げられます。
また、紙に染み込むという特徴から、特に普通紙に印刷する場合、色がにじんだり薄くなったりすることがあるようです。その他には、インクが乾いて色が安定するまでの時間は長いことも挙げられます。
顔料、染料タイプともに、以上の様な特徴があり、まとめると次の様になります。
タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
顔料タイプ |
|
|
染料タイプ |
|
|
以上のことから考えると、
「顔料タイプ」は、文字や図が中心のビジネス文書に向いているといえます。
「染料タイプ」は、写真印刷に強いことから写真をよく印刷する人に向いているといえます。
ビジネス文書を日常の業務で印刷やコピーする方が「染料タイプ」を選ぶことはNGであり、逆に写真やイラストといった画像を多く印刷する方が「顔料タイプ」を選んだらNG、といったように、まずは「顔料」「染料」のタイプの違いをしっかり認識してコピー機を選ぶことが重要になります。
2.コピー機の「4色インク」と「6色インク」の特徴と違い
コピー機のインクの「顔料タイプ」と「染料タイプ」の違いはご理解していただけたかと思いますが、そのインクのタイプを使った、
というタイプにも分けられています。ちなみに、主に大手メーカーの「キヤノン」と「エプソン」の2つのメーカーが、4色と6色のインクを販売しています。それでは、この4色・6色インクの特徴と違いについて分かり易くご説明いたします。
出典:マイナビニュース
①「4色インク」の特徴
4色インクとは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色で構成されるインクです。
出典:DTP
4色インクには、それぞれのインクカートリッジが独立した独立型と、ブラックと他の3色が一体となった一体型があります。
最近は、4色が独立型になっているものが多いようで、その理由として、ブラック以外の3色のインクカートリッジが一体化しているため、そのうち1色でもインク切れすると、3色分のインクを購入しなければならないためです。
②「6色インク」の特徴
6色インクは、
- 顔料・染料のブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、グレー
- ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ
と、どちらかの構成のインクです。
「2」のタイプに関しては各色のインクカートリッジが分かれた独立型です。「1」は顔料と染料のブラックに分かれていますが、前項での特徴から、文書でも写真でも対応できるようにと考えられたものです。
違いについては、4色インクは、ブラック以外の3色で色を表現しますのに対して、6色インクはグレー・ライトシアン・ライトマゼンタなども用いています。大きな差はないものの、6色インクで印刷したほうがより色が鮮明になります。
このようなことを考えると、
「4色インク」は、文書を中心に印刷する方や、画像印刷にこだわりが無い方向けです。
「6色インク」は、とくかく印刷の美しさにこだわりたい方に向いています。
また、コスト面に関しては、4色インクはカラーカートリッジが一体化している場合その分値段は高く、6色インクはそれぞれ独立しているので、1色のカートリッジの値段は一体型の3分の1程度で済みます。ですが、現在では4色インクも独立型の製品が増えていますので、印刷品質以外はコストなどほぼ変わらないと思います。
しかし、実際には4色インク搭載の製品は本体の価格が安く、6色インク搭載のプリンターは本体の価格が高い傾向があります。
出典:キヤノン
3.まとめ
出典:キヤノン
ここまで、コピー機のインクの種類や違いについてご説明いたしましたが、製品を見ると必ず4色インクか6色インクか、その使われているインクが顔料なのか染料なのかはっきり明記されていると思います。
コピー機を選ぶ際には、まずはどのような利用目的で購入するのかを明確にして、普通紙でビジネス文書の印刷・コピーが多いのにブラックが「染料タイプ」の製品を選んだりすることがないようにしたいですね。ちなみに、カラー色はほぼ「染料タイプ」です。