会社でコピー機・複合機を使っていると、定期的に補充・交換をしなければならないパーツがあります。感光体ドラムと呼ばれるパーツは、摩耗や消耗するので定期的に交換するのですが、その頻繁に交換する必要はありません。
そして、定期的に交換するパーツの代表選手が「トナーカートリッジ」です。トナーは使えば使うほど減るので、度々交換する必要がある消耗品ですよね。何個もトナーカートリッジを使えば、ランニングコストが膨大にかかってしまいます。
そこで、今注目されているのが「リサイクルトナー」です。
トナーには、メーカー純正品と非純正品と分けられますが、リサイクルトナーは非純正品にあたるものです。ここでは、そもそもリサイクルトナーとは?に関しての説明と、利用するメリット・デメリット、あわせてリサイクルトナー業者を選ぶポイントなど、分かりやすくご説明いたします。
1.そもそも「リサイクルトナー」とは?一般的な相場は?
まず、「リサイクル」の意味を国語辞書で調べてみると、『廃棄物や不用物を回収・再生し、再資源化、再利用すること。』となります。
そのリサイクルのトナーということで、コピー機・複合機の使用済みトナーカートリッジを回収したのち、分解、洗浄、修理、部分交換、トナー充填した上で使える状態にしたトナーのことになります。いわゆる、新品トナーの再生品ですね。
リサイクルすれば新品トナーと同じ
コピー・印刷すればトナーは減っていき、完全になくなれば使えなくなります。ですが、トナーはカートリッジという専用の容器に充填して使用するので、カートリッジ自体はまだ使うことができ、再度カートリッジにトナーを充填すれば新たにトナーカートリッジとして使えるようになるわけです。
また、部品交換などの工程を経ているので、コピー機にセットすれば、以前のように新品トナーとして使えるようになります。
価格相場に注目してみましょう
まず、リサイクルトナーの価格相場は明確なものがありません。それは、リサイクルトナーを取り扱っている業者によって違いがあり、さらに言えば、機種によっても違いがあります。相場ははっきりしないもの、基本的にリサイクルトナーは、元々ある部品を交換・修理して再利用するものです。
純税品トナーと比べてコストが低く抑えられているので、当然それだけ純正品よりも安く購入できます。
参考までに、ある程度の価格目安は、以下の通りメーカー純正トナー価格を基準に算出されます。
・メーカー価格40,000円~
リサイクルトナー:8,000~25,000円
・メーカー定価20,000~40,000円
リサイクルトナー:6,000~20,000円
・メーカー価格10,000~20,000円
リサイクルトナー:5,000~10,000円
以上のようにあまり参考にならないような目安はあるものの、ほぼ半値程度になります。
最近では、中国をはじめ海外において製造された格安なリサイクルトナーも出回るようになり、ただ単に価格で選んでしまうと、品質面で使えないものもありますので、異常に安いリサイクルトナーには注意しておきたいですね。
2.リサイクルトナーのメリット・デメリット
リサイクルトナーの特徴やある程度の価格相場をご理解いただいたところで、リサイクルトナーを使うメリット・デメリットをまとめてみましょう。
リサイクルトナーを使うメリット
- 純正品と比べて圧倒的に価格が安く、3~5割程度の価格で利用できる
- カートリッジを再生利用することで、環境面で地球にも優しい
- 製造業者によっては、純正品に近い品質を保っている
- トナーを割増した大容量の製品もある
リサイクルトナーの最大のメリットは、何を置いても価格が安いことです。消耗部品だけを交換するため、約3~5回のリサイクルが可能です。
メーカー純正定価の約30~50%OFFで利用できるので、利用頻度が高いほど大きな経費削減効果が期待できます。
また、使用済みカートリッジは基本的に産業廃棄物になり、処分には注意が必要になりますが、リサイクルすることで無駄をなくし、地球環境保護と資源の有効活用に役立っています。さらに、品質面も普及率の増加とともに向上し、現在では純正トナーとほぼ同じ品質を保つことが可能になっています。
出典:再生トナー屋さん
リサイクルトナーを使うデメリット
- リサイクルトナー製造業者によって品質に差がある
- 不具合が純正品と比べて起きやすい
- コピー機にトラブルが発生した場合、メーカー保証を受けられないことが多い
どんな製品にも言えることですが、整備する業者によって品質は異なり、特にリサイクル品に関しては顕著に表れてくるものです。また、純正品はメーカー製なのでコピー機・プリンターに対して故障・不具合が出ることはほぼありません。
それに対して、リサイクルトナーはまれにですが、トナーとドラムに対して不具合が発生し故障しまうことがあります。そういった場合、純正品ではないのでコピー機・プリンター本体の保証を受けられないケースがあります。しかし、リサイクルトナーを販売している業者は、不良などが起こった場合には品質保証をして代替品を送るなどの対応をしています。
リサイクルトナーには、以上のようなメリット・デメリットがありますが、総合的に見ると、価格も安く品質もある程度保証されているため、高価な純正品トナーよりも導入がしやすいのではないでしょうか。
3.リサイクルトナー業者の選び方
メリット・デメリットを見てみると、やはり価格や品質に関しては、リサイクルトナーを販売している業者によって違いがあることが挙げられますが、では、実際にリサイクルトナー業者はどんな基準で選べば良いのか?
そこでこれから、リサイクルトナー業者の選び方として、いくつかポイントをご紹介いたします。
➀価格が安すぎないか?
先程、リサイクルトナーのある程度の価格相場をご紹介しましたが、リサイクルトナーの原価は大きく人件費と、消耗部材費、輸送料などです。
一般的に価格を安くするためには、人件費を削る必要がありますよね。リサイクルトナー業者も同じように、人員やその他の経費を削減することでリサイクルトナーを少しでも安く売ろうとしています。
あまりにも低価格ばかりを強調しているような業者は、メンテナンスをせずにトナーのみ充填している製品である可能性が高いので注意が必要です。せっかく購入しても使えなければ意味がありません。価格ばかり注目せず、品質についても意識しておきましょう。
➁部品の交換はしてあるか?
リサイクルトナーは、トナーを充填するだけではなくて、カートリッジ自体の部品の点検交換することが基本です。それは、➀でも説明した通り、人件費やその他の経費削減のために、極端な例では、見た目の掃除のみでトナーを充填しただけというケースもあるようです。
しかし、今まで使われていたカートリッジなので、さらに使えば使うほど部品が消耗していき、故障の確率が高くなります。安い価格で購入しても、すぐに壊れてしまっては、経費削減どころの話ではありません。そのため、どのようにメンテナンスが施されているか確認しておく必要があります。
➂保証はあるか?
- 保証が明確に記載されているかどうか?
- 万一トラブルが発生した場合、しっかり対応してくるのかどうか?
- 保証期間はどれくらいか?
といった内容が、Webサイトや広告などにはっきり明記している業者を選びたいものです。
ちなみに、リサイクルトナーの保証期間は、だいたい1年ぐらいだそうです。
以上、「価格」「品質」「保証」という3つのポイントはしっかり認識しておきましょう。
4.まとめ
ここまでリサイクルトナーに関して、様々な角度で説明してまいりましたが、何といっても純正品トナーよりも半値に近い価格で導入できるメリットは大きいと思います。トナーは、使えば使うほど減るものなので、コピーや印刷の使用頻度によっては、交換するためのコストは馬鹿にならないものになってしまいます。
業者の選び方でも見ていただきましたが、安いことは良い事として、品質の面にも着目して、使ってすぐ壊れてしまう様なリサイクルトナーだけは選ばないようにしたいですね。
出典:RTC製作所